日本酒の話

日 本 酒 の 話

■日本酒の歴史と特色
(日本酒の特徴)
清酒は、日本酒とも呼ばれているように、長い歴史と伝統を持つ日本民族固有の優れたお酒です。「清い」という言葉は、日本文化のポイントです。清い酒という名称が生まれ、今日まで使用されている事実は、清酒と日本文化の深い関係を暗示しています。清酒は、単にアルコール飲料ではありません。私ども日本人の文化の象徴であり、フランスのワイン、スコットランドのウィスキー、 ドイツのビールに匹敵するものと言えます。

(日本酒のはじまり)
京都府の松尾大社や奈良県の三輪神社には、由緒あるお酒の神々が祭られています。また、古事記の「やまたの大蛇」退治等に見られるように、日本酒の歴史は古く記紀神話(古事記及び日本書紀)の時代まで遡ることができます。当時のお酒のことについてはよく分かりませんが、水稲が渡来した弥生時代には、米こうじを使用したお酒が造られたと考えられています。

(日本酒製法の進歩)
富と人材の集中した寺院で、盛んに酒造りが行われた15世紀から16世紀にかけて、技術が格段に進歩し、16世紀後半には、①精米した米を使用する諸白造り、②もろみをこして清酒を透明にする、③火入れと呼ばれる熱殺菌など、現在に近い醸造法になったといわれています。近世に入りますと、江戸、大阪等の大都市へ出荷する大規模な酒造業が興り、今日の主産地といわれるようなものが形成されました。江戸時代前期には、近畿の池田や伊丹の酒が全盛を誇りましたが、やがて灘酒がこれに取つて代わつていきます。この頃から寒造り(最も寒い季節に醸造すること)が定着しました。明治以降には、原料米の高度精白、微生物の科学的な利用、近代的な設備・機械の導入により、品質の向上と製造の合理化が行われました。また、伏見、広島、秋田、新潟等各地に名醸地が生まれ、現在に至つています。

■清酒の製造工程
清酒は、米を原料にした醸造酒です。一般的にその工程は4つに大別されます。

■清酒の原料
品質の良い清酒を造るために重要なものは水と米です。

(昔から銘酒のあるところに良水があるといわれています)
水は無色、無臭、無味ですが、いろいろな成分が溶解していますので、酒質に影響を及ぼします。酒質を劣化させる鉄やマンガンが含まれていないことが最低条件です。清酒用の水として代表的なものは、灘地方の「宮水」が挙げられますが、宮水は、発酵を促進するカリウムとリンを多く含み、鉄分がほとんど含まれていない良水です。

(米は、国産の水稲うるち米が使用されでいます)
四国では、香川県産の「オオセト」、愛媛県産の「松山三井」などの品種があります。.酒造りには、大粒で軟質な米が歓迎され、このような米を「酒造好適米」と呼んでいます。 その中でも代表的な品種は、「山田錦」、「五百万石」などが挙げられますが、四国には、香川県産の「さぬきよいまい」、愛媛県産の「しずく媛」、高知県産の「吟の夢」、「風鳴子」などの品種があります。 徳島県で栽培された山田錦は、「阿波山田錦」として全国の蔵元から高い評価を受けています。

酒造りには、高度に精米された白米が使用されます
米は白く磨いたほど良い酒ができるといわれています。玄米には、表層部の糖分や胚芽にはタンパク質、油脂や灰分が多く含まれています。これらの成分は、香りを悪くしたり、また、清酒を着色させたり、くどい味をつけたりすることから、好ましくないので、これを取り除くために精米をします。
一般の清酒に使用される白米の精米歩合は、70%(糠が3割)前後ですが、吟醸酒になりますと60%(糠が4割)以下であり、中には35%(糠が6割5分)まで磨くものもあります。私たちが毎日食べている飯米の精米歩合は92%(糠が8分)程度ですから、いかにきれいに磨くかお分かりでしよう。勿体ないと思われるかもしれませんが、美味しい清酒を造るためには必要なことなのです。ただ、高価な酒造好適米ですので、これが清酒の価格を他の酒類と比較すると高くしている一因でもあります。

■清酒のタイプと香味
清酒の代表的なタイプと香味の特徴は、ご存知でしょうか…

(吟醸酒は、低温でゆっくり発酵させた清酒)
精米歩合60%以下の白米を用いて、いわゆる吟醸造りをした清酒で、固有の香味と色沢が良好なものをいいます。特に精米歩合50%以下の白米を用いて造られたものは、大吟醸酒の名称(表示)を用いることができますし、また、醸造アルコールを使用しないものは、純米大吟醸酒の名称を用いることができます。
吟醸酒は、リンゴやバナナなどのフルーティな香り(吟醸香)と、淡麗で上品な味わいを持つていますので、冷やで飲むのに適しているといえます。また、吟醸酒は、特に杜氏が丹精込めて造る清酒の芸術品といえます。

(純米酒は、米と米麹及び水を原料として造られた清酒)
純米酒は、米と米麹だけを使用しますので、それらの風味を多く含んだ濃厚な味が魅力です。モルト100%のウイスキーやビールに相当する製品といえるでしよう。
また、精米歩合60%以下の清酒は、特別純米酒の名称を用いることができます。

本醸造酒は、白米と米麹、醸造アルコールと水を原料とした清酒
精米歩合70%以下の白米を用いて造られ、香味と色沢が良好なものをいいます。酒質は、純米酒よりも軽快ですが、深みのある味わいがあります。
精米歩合60%以下の清酒は、特別本醸造酒の名称を用いることができます。

徳島には、素晴らしいお酒がたくさんあります。
いろんなタイプのお酒を一度ご賞味してみてはいかがでしょうか。
地酒の中で自分に合つたお酒を見つけるのも楽しいものです。

■清酒のおいしい飲み方
清酒は、どの温度で飲んでも、おいしく、味わいがあります
清酒は冷やしても、常温(冷や)でも、また温めてもおいしくいただける、世界でも珍しいお酒です。なかでも、温める飲み方は、まさに日本の風土に生まれ、日本の食文化とともに育まれた、独特の飲酒スタイルといえます
お燗は、体を温める効果のほか、お酒の味わいをまろやかにしてくれます。さらに、おいしいお燗は、料理の味を引き立てて、食事をいっそう楽しくすることでしょう。
ただし、温度が低すぎると味や香りを感じることが難しく、反対に温度が高すぎるとアルコールの刺激が強くなり、また、香りが揮発して調和が悪くなりますので、あまり極端な温度は避けたほうがよいでしょう。

(清酒のタイプによって、飲用に適した温度が異なります)
≪清酒のタイプ≫
 香り ・・・・ 香りの高いタイプ
 軽快 ・・・・ 軽快でなめらかなタイプ
 コク ・・・・ コクのあるタイプ
 熟成 ・・・・ 熟成タイプ



和らぎ水(やわらぎみず)のすすめ

ウイスキーのチェイサーのように、清酒やワインでも、ときどき
水を飲むようにすると、深酔いしません。
また、お酒が好きな方なら、ウーロン茶や緑茶よりも、水を飲む
ことで、お酒の香りや味が一層楽しめるようになります。

■お酒と料理
(清酒と食べ物の相性)
清酒(日本酒)ほど多くの料理と相性のいいお酒は、世界中を探しても少ないといわれています。日本酒を飲むときには、ほとんどの人が酒の肴を欲しがるのも、それは昔からの習慣というよりも、肴と一緒に日本酒を飲むと一層美味しくなることを無意識のうちに知つているのではないでしょうか。
肴は清酒の引き立て役であり、また同時に清酒は、肴の引き立て役であるといつてもよいでしょう。これだけを見ても、食べ物と清酒の相性がいかに良いか分かります。
特に、日本は食べ物の豊富な国で、海の幸、山の幸の食べ物がたくさんあります。また、日本には四季があり、季節ごとの旬な物が食卓を賑わしてくれます。そんな飛び切り新鮮な素材の食べ物と、米の自然なエキスから造られた清酒の組み合わせは、他の酒では味わえない絶妙なコンビといえるのではないでしょうか。

■日本酒ほろ酔い健康法

復活の一杯。
毎日の晩酌が楽しみという人に、長寿な方が多いのはなぜでしょう。昔から「百薬の長」といわれてきた日本酒。そのメカニズムが、ここ最近解明されつつあります。
適度な飲酒は心臓病やガン、骨粗鬆症、老化・痴呆などの発症リスクを下げるというデータが、世界の疫学的研究で次々に発表されています。
健康を維持するだけではない、積極的に元気を応援してくれる、日本酒。あなたの心身をよみがえらせる、一杯の効果を知って下さい。

アミノ酸 あれこれ買うより 日本酒飲もう
私たちの体に必要なアミノ酸。お酒の中でも特に多くのアミノ酸を含むのが、日本酒です。日本酒に含まれるアミノ酸は、胃を丈夫にして、食欲を増進してくれます。また、動脈硬化、心筋梗塞、肝硬変や健忘症など、多くの生活習慣病の予防に有効だということも解明されています。サプリメントを飲むのもよいけれど、家にある日本酒をちょっと思い出してください。ほろ酔い気分で、アミノ酸の恩恵に預かる。これこそ、一石二鳥の健康法ですね。

血管も ほろ酔いついでに 若返り
日本酒を飲んで、頬がほんのり染まってきたら、それは、血行がよくなっているというサインです。
日本酒は、毛細血管の働きを活性化させて、血液を流れやすくします。
また、日本酒に含まれる成分は、悪玉コレステロールが酸化するのを防ぎ、善玉コレステロール増やすというデータも報告されています。長寿の秘訣とは、いつまでも血管を若々しく保つようにすること。しなやかで、ハリのある血管でいるために、日本酒は有効なのですね。


(そのお腹 お酒じゃないよ つまみだよ)

日本酒を飲むと太るという声がありますが、これは食べ物のせい。問題なのは、総摂取カロリー。大切なのは、食べ過ぎ、飲みすぎに注意すること。
また、おつまみは高カロリーのものを避け、さっぱりしたタンパク質食品や野菜、海藻類などがおススメです。
そして、食べ物もひと工夫。揚げ物、煮物、酢の物などいろいろな料理を、バランスよく食べるのがコツです。お酒とつまみの関係、おいしく、正しく楽しみたいですね。


(合いの手に 水をさすのは 酔い上手)
日本酒の合間に水をさすのは、正しい飲み方です。といっても、水で割るということではありません。日本酒のグラスの横においしい水を用意して、ときどき飲んでください。深酔いを防ぐ上に、日本酒をよりおいしく味わえます。
また、すべての基本は、適量を守るということ。この基本を守ってこそ、日本酒も本来の健康効果を発揮できます。
さて、その適量ですが、一般的には一日二合といわれています。これを一つの目安として、自分の適量を知り、爽やかに酔いたいものですね。


恋をして 飲んでつければ あらきれい

きれいになるために、もっと活用してほしいのが日本酒です。まずは、飲んで内側からきれいになりましょう。日本酒に含まれるアミノ酸が肌をしっとりとさせ、つやとしなやかさを与えます。
また、血液循環がよくなるので、女性に多い冷え性や肩こりに効果があるのもうれしいですね。さらに、顔や体全体にたっぷりとつけて、外側からも保湿します。
そして、最後にもう一つ。お風呂に日本酒を入れることによって、リラックス効果を高めます。恋をするのもいいけれど、いつもの毎日に日本酒をプラスしてみては。鏡を見るのが楽しみになるかもしれません。


一杯で ストレス半分 楽しさ倍増
ストレス解消を期待するなら、日本酒をゆっくり飲むことをおすすめします。日本酒は、緊張によって収縮した血管を拡げ、血液が流れやすい状況をつくります。
また、毛細血管の働きを活性化させ、マッサージと同じように筋肉のこりをほぐす効果もあります。その日の疲労は、その日のうちに解消したいもの。晩酌という習慣は、日本人が見いだした素晴らしい知恵なのですね。


お料理に 日本酒たっぷり 身体にっこり
下ごしらえから仕上げまで、毎日の料理にふんだんに使えるのが、日本酒です。日本酒はいろいろな調味料と一体化して、素材本来の味を引き立て、身体によい成分を引き出します。たとえば、煮魚の場合、日本酒を使えば少量の塩でも旨みがグンとアップ。
塩分が気になる方でも、おいしく味わえます。また、和食だけでなく、中華や洋食など他の料理にも活用できることがうれしいところ。素材を生かしながら、うま味をプラスする。このかくれ技は、おいしさがけでなく、健康もバックアップしてくれるのですね。

日本酒造組合中央会作成パンフレット「日本酒ほろ酔い健康法」より

■酒に強い人・弱い人

酒ぐらい強い人と弱い人にはつきり分かれている飲み物はありません
お猪口1杯で顔が真っ赤になる人がいると思えば、1升飲んでもケロッとしている人もいます。それほど個人差があります。

酒に強い人は、血中のアルコール濃度の上がり方が低く、弱い人は上がり方が高いといわれています。アルコールは、肝臓でそのほとんどが酸化され、まずアセトアルデヒドになります。アセトアルデヒドは、さらに酸化されて酢酸になります。アセトアルデヒドは、毒性の強い物質で悪酔いの元凶といわれ、酒を飲んで顔が赤くなるのも、頭痛が起きたり気分が悪くなったりするのも、みんなこの物質が原因と言われています。

(日本人は酒に弱い?)
アセトアルデヒドの分解酵素の中でⅡ型(ALDH2)を持つていない人や、その働きが弱い人がいます。欧米人に比べて日本人にはこういった人が多いと言われており、このような人は酒に弱いわけです。

また、酒に弱い人は、アルコールやアセトアルデヒドに対し、脳が敏感に働き、その影響をより大きく受けるようになりますが、酒に弱い人ほどアルコール依存症は少ないようです。

(日本酒を飲めば二日酔いになりやすいか?)

「日本酒は好きだけど、二日酔いするからどうも・・・・」という人がいますが本当でしょうか。
答えは「NO」です。
日本酒を飲めば二日酔いするのではなく、沢山飲むから酔いが残るのです。つまり、日本酒が美味しいからつい飲み過ぎて二日酔いとなるのであって、日本酒そのものが二日酔いを招くということではありません。ですから、二日酔いしないためには、ほどほどの量を飲むことが大切です。そのためには、自分の酒量の限度を知っておく必要があります。
普段、お酒をあまり飲んでいない人ほど、自分の限度がわからないために二日酔いになりやすいといえるでしょう。

 

■健康的な飲み方
酒を飲む時に是非実行していただきたいことについてお話します。
食べながら飲みましょう

食べることによって、アルコールの吸収が遅れるため血中濃度が低く、しかも食物とともに腸内に残っているアルコールが少しずつ吸収されます。
大酒を飲むと肝臓を害し肝硬変になると信じている人が多いようですが、研究者による詳細な研究の結果、酒そのものは肝硬変に直接影響をもたないといわれています。
直接の原因はタンパク質やビタミンなどの不足によるといわれています。アルコールの多飲がビタミンAを追い出すことが明らかなようです。したがって、酒のつまみは、酒を美味しくするためばかりでなく、栄養のバランスをとるためにも必要なものと認識してください。

(濃い酒は薄めて飲みましょう)
アルコールが胃を刺激して食欲が増すことは事実ですが、濃いアルコールは、胃液中の塩酸量を増やし、肝心のペプシン(タンパク質を分解する酵素)の分泌が増えないことが分かつています。また、濃いアルコールが慢性胃炎、胃潰瘍を誘発し、肝臓の抵抗力を低下させることも知られています。
ウィスキーやブランデーを薄めて飲めば美味しくないという理由で、薄めて飲むことが嫌なら、胃の中で薄めるように水を飲んでください。

(飲む量を決めておきましょう)
いやしくも酒飲みを自認する人ならば、どれだけ飲めばどういう結果になるか、知っておくべきです。一杯飲むごとに、次の一杯を飲みたくなることはないか。その場合、何かと理由を作つてさらに一杯飲むことはないか。いかがでしょうか…。なかなか難しいことではありますが、あらかじめ決めた以上は絶対に飲まないという強い意志を持つことです。
お酒は、健康で楽しく飲みたいものです。ここで、アルコール健康医学協会が、「適正飲酒の10ケ条」を公表していますのでご紹介します。

談笑し 楽しく飲むのが基本です
食べながら 適量範囲でゆっくりと
強い酒 薄めて飲むのがオススメです
つくろうよ 週に2日は休肝日
やめようよ きりなく長い飲み続け
許さない 他人(ひと)への無理強い・イッキ飲み
アルコール 薬と一緒は危険です
飲まないで 妊娠中と授乳期は
飲酒後の運動・入浴 要注意
10 肝臓など 定期検査を忘れずに
【枠外】しないさせない許さない 未成年者飲酒・飲酒運転

■きき酒

きき酒とは、視覚、臭覚、味覚などを使ってお酒を評価すること
きき酒のプロといわれる人は、的確に香りや味を表現し、しかも再現性があり、とてもまねできないように見えます。しかし、人間の感覚能力は、プロとそれ以外の人で大きく違うわけではありません。プロは、製品の香りや味の個々の特徴とその強さを具体的に捉え評価する経験を積んでいるからできるのです。ポイントを理解すれば、きき酒はずいぶん簡単になります。
酒類の品質鑑定には、機器による科学分析による方法もありますが、最終決定は、人間の感覚による官能検査、すなわち、「きき酒」によつて行われています。

きき酒のときの心得
①香りの強いものは身に付けない ・・・・ ポマードや香水などの香りの強いものは避ける。

②きき酒中は禁煙 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 容器に「やに臭い」匂いが付けない。
③よく手を洗う ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 手に匂いを付けない。
④話をしない ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 私語や独り言などで他人の気を散らさない。
⑤体調を整える ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 風邪を引かない。十分睡眠をとる。

清酒のきき酒の手順
清酒の場合、容量180mlの蛇の目猪口が一般的に使われますが、例えば、色にとらわれないで味や香りを重点にきき酒を行う場合には、褐色のグラスを使います。褐色のグラスがない場合には、透明のグラスでも十分です。
①目でよく観察し、色調、透明度、にごりの有無を見る。
②香りを嗅ぎ、香りの性質、その強さをみる。
③5ml程度を口に含み、ゆっくりと舌の上に広げる。すするように空気を口の中に入れ酒と混ぜる。
④この空気を鼻に抜き、「含み香(口中香)」をみる。
⑤ゆっくりと舌の上の味や口当たりをみる。
⑥吐き出した後の味や口当たりをみる
お酒を口の中に止めておく時間は2~ 5秒位が適当です。きき酒が少ないときには飲んでしまっても差し支えありません。

■清酒鑑評会

(その年の出来栄えを競い合うコンテスト(鑑評会))
現在、日本酒造組合中央会と(独)酒類総合研究所の共催で行われている全国新酒鑑評会と、各国税局や地方公共団体が行う酒類鑑評会があります。鑑評会は、醸造技術の進歩や改善を促進し、さらに酒質の向上を図り、消費者の嗜好にあった地酒の育成と業界の発展に寄与することを目的として実施しています。

全国新酒鑑評会は、毎年1回、4月から5月にかけて開催されます
全国から出品された吟醸酒が官能審査(きき酒)と科学審査によって品質評価され、その中で特に優秀な成績を得られたものが金賞に選ばれます。
この賞を受けることは、メーカーにとっても社氏にとっても大変名誉なことですので、社氏は、自ら不眠不体で吟醸造りに専念します。金賞を取りますと、当該金賞を受賞した清酒容器と同一の貯蔵容器のものについては、授賞機関及び授賞年を併せて表示することができますので、各酒造場では、全国新酒鑑評会で金賞が取れるよう酒造りに力を入れています。


四国では、四国清酒鑑評会が開催されます
四国の清酒メーカーから出品された酒(吟醸酒及び純米酒)を官能審査(きき酒)と科学分析によって品質を評価して、特に優秀な成績を得られた酒造場に対して国税局長表彰を行っています。
なお、鑑評会に出品されたお酒については、表彰式の当日、公開を行っています。チャンスがあれば「きき酒」してみてはいかがでしょうか(公開の日時及び会場については、国税局ホームページをご覧下さい。)
※平成22年までは、毎年春(3月~4月)に開催されていましたが、平成23年からは、秋(10~11月)に開催することとなりました。

■お酒の税金

(清酒などの国産酒類には、製造場から出荷時に酒税が課されます)
輸入酒類は、酒類を保税地域から引き取るときに課税されます。酒税の納税義務者は、酒類のメーカーや引取者でありますが、その税金は、販売価格に転嫁されて最終的には消費者が負担することになります。

酒類は、原料や製造方法の違いにより、税率が違います
「醸造酒類」、「蒸留酒類」、「混成酒類」及び「発泡性酒類」の四つの種類に分類され、更には、清酒、果実酒、その他の醸造酒、連続式蒸留しようちゅう、単式蒸留しようちゆう、ウィスキー、プランデー、原料用アルコール、スピリッツ、合成清酒、みりん、甘味果実酒、リキュール、粉末酒、雑酒、ビール、発泡酒の17品目に分けられています。
その税率は、種類別・アルコール分別に、1 KL当たり○○円(例、清酒1KL当たり 120千円)と定められています。

主な酒類の酒税額と税負担率はどの程度だと思いますか……
代表的な小売価格を基準に税負担率を試算してみました。実際は安く販売されていることがありますから、価格の引き下げに伴って消費税額が減っても酒税額は変わらないので、小売価格に占める税負担率は高くなります。